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​路上のゴミに顔を描く

残 さ れ た ゴ ミ に 顔 を 描 く

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2017年、借金で家庭が潰れかけた。 私は美術大学に通っていたが、絵の具だけでなく、大学までの電車の片道代も買えなくなった。仕方がないので3時間かけて自転車で通学していた。

そんな登校中のある日、路上に落ちているゴミを見かけた。自分のようにも、自分でない憧れの対象のようにも見えた。これをこのまま展示にしようと決めた。自分の故郷や、周りにいた人たち、そこでの環境のことが頭によぎりながら。 

放置されているゴミは、回収・処分されるための世の中の仕組みから抜け出している。そんなふうに見えたとき、そこに人のイメージを投影しようと思った。

些細なものから呪いになるくらい大きなものまで、人は生まれた場所や育った環境によってその後の生き方を決められることがある。

​私たちは、私たちの境涯から抜け出すことはできるのだろうか。残されたゴミたちは今もそこにあり続ける。

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